.NET Frameworkはv4.8でリリース終了
.NET Framework(正式には、Microsoft .NET Framework)は、Windows基盤向けに開発されるアプリケーション向けのフレームワークです。Windows基盤向けのシステムアプリケーションを開発したことがある人なら、Visual Studioを使用してごく自然に使用してきたフレームワークです。
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この.NET Frameworkですが、時代の流れから後継の.NET Coreが登場して進化していく中で、バージョン4.8でリリース終了となりました。この出来事が.NET Framework→.NET Coreへの移行に関する話題を増長させている要因です。
システム移行は必ずしもすぐに必要ではありません!!
新バージョンのリリースが終了となった.NET Frameworkですが、では現在.NET Frameworkで動作しているシステム・アプリケーションの移行がすぐに必要か?と言えば必ずしもそうではありません。システム移行を考える局面では、.NET Frameworkのサポート期限が重要になってきます。主な.NET Frameworkのバージョンとそのサポート期限は以下のようになっています。
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Version | サポート期限 |
---|---|
.NET Framework 3.5 SP1 | 2029/01/09 |
.NET Framework 4.6.2 | 2026/07/14 |
.NET Framework 4.7 | 2026/07/14 |
.NET Framework 4.7.1 | 2026/07/14 |
.NET Framework 4.7.2 | 2029/01/08 |
.NET Framework 4.8 | 2031/10/14(※) |
※.NET Frameworkはそのライフサイクルポリシーに準拠しており、プレインストールされているOSのサポート期限までサポートが保証されます。現在の最新OSはWindows Server2022であり、そのサポート期限は現在2031/10/14となっています。Windows Server2022以降の最新OSに.NET Framework 4.8がプレインストールされれば、その新OSのサポート期限までサポートが継続されることになります。
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この表に記載されている.NET Framework上で動作しているシステム・アプリケーションについては、最短でも3年半はサポートは切れませんので、すぐの移行は必要ありません。
※恐らく移行に伴うシステム・アプリケーションのリビルドが必要になると推測される3.5 SP1でも、後6年はサポートが継続されます。
開発現場はそうは言っていられない!!
システム移行については直近の課題ではないことは分かりました。では、システム開発の現場においても今は気にしなくても良い話題なのでしょうか?私はそうではないと考えています。その理由は以下となります。
- これから新規の開発案件において、.NET Frameworkを採用することはなくなってくる(.NET Coreが採用される確率が高い)
- 多くのソフトハウスでは、各社の過去のソフトウェア資産を流用して開発をすることが少なくないが、.NET Coreを採用した場合、その資産をそのまま使用できない可能性があり、開発コストの増大のリスクがある
ですから現場のエンジニアは、.NET Frameworから.NET Coreになることで何をしなければならないのか?について理解する必要があります。
最後に
今回は.NET移行について、その背景と必要性について考察しました。
すぐに移行対応は必要ないけど、システム開発現場では.NET Coreへの対応が必要です。
次回以降、.NET Frameworkで構築されたシステム・アプリケーションを.NET Coreで同じように構築する場合に必要となる内容をご紹介していきます。
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